光と影 2017 12 10

 人間には、欲がある。
食欲、物欲、性欲、金銭欲。
最後に残るのは、名誉欲である。
 しかし、その名誉欲が、晩年の人間を苦しめる。
いつになっても、求めても求めても、
決して満足できない。
 そもそも、名誉欲とは、
神のために働いた時のみ満たされる。

2017年12月10日の時事通信社には、このようなニュースがありました。

 東芝の社長や会長を歴任した西田厚聡(にしだ・あつとし)氏が8日、
急性心筋梗塞のため東京都内の東芝病院で死去した。
 西田氏は1995年年にパソコン事業部長に就任。
マイクロソフト創業者のビル・ゲイツ氏とも親交があり、
ノート型パソコンの「ダイナブック」で、
世界市場を席巻した「東芝のパソコン事業の立役者」として知られる。
 2005年の社長就任後は、アメリカの原子力大手ウェスチングハウス(WH)の買収や、
半導体事業への多額の投資など「攻めの経営」を進めた。
 しかし、2008年年秋のリーマン・ショック後の世界的な景気後退から、
2009年3月期に巨額損失を計上し、社長を退任した。
 2015年に発覚した不正会計問題では、
社長時代に利益目標の達成を現場に強く迫ったことが、
利益の水増しを生んだと指摘され、相談役(当時)を引責辞任。
 WHも巨額損失を出して今年3月に経営破綻するなど、
強気の経営が現在の東芝の危機を招いたとの見方も出ていた。
(引用、以上)
 パソコンと半導体に興味がある私にとって、
このニュースに関しては、じっくり読んでしまいました。
 今の日本、「リスクを取らない経営」が多く、
その結果、世界から見れば、事業がガラパゴス化していますが、
リスクを取った結果、運が悪ければ、厳しいものとなります。
 西田氏にとっては、
2011年の東日本大震災による原子力発電所の事故は想定外だったでしょう。
さらに、2008年のリーマン・ショックも想定外だったでしょう。
両方とも、100年に1回あるかというものだったと言えます。
 経営に運・不運はあります。
しかし、経営は結果責任です。
 さて、現在の東芝には、
もう一つの問題があるとささやかれています。
 起死回生を狙った、アメリカでのLNG事業(液化天然ガス)。
「なぜ、日本の電機メーカーがLNG事業をやるのか」
 そういう声が多かったでしょう。
普通は、総合商社と電力会社やガス会社が組んで、
LNG事業を行うものでしょう。
 もちろん、LNG相場が好転すれば、
リスクではなくなりますが、
相場が絡むものは、総合商社のほうが経験豊富でしょう。
(参考)
2017年11月1日の産経ニュース電子版には、このような記事がありました。
「東芝に眠る、もう一つの火薬庫 誤算で1兆円損失の恐れ」
 それが、平成31年9月から年間220万トン、
20年間にわたって販売することになる米国産の液化天然ガス(LNG)だ。
東芝の説明によると、最大で1兆円の損失が発生する可能性があるという。
 東芝は、なぜ、「土地勘」がないLNG事業に進出したのか。
東芝は、火力発電のタービンと米国産LNGを抱き合わせで販売し、
頭打ちになる原発事業に取って代わる事業にしようと夢見ていたようだ。
(引用、以上)
 これは、トヨタ自動車の車には、ガソリンが必要なので、
トヨタ自動車が、中東で原油ビジネスに参入して、
自動車とガソリンを抱き合わせで販売するようなものでしょうか。
 確かに、似たような商売がありました。
大型のオートバイが好きな人から聞いた話では、
バイクを買うと高級エンジンオイルも格安でついてくるというビジネスです。
高性能なバイクでは、エンジンオイルが重要です。
 まめにエンジンオイルの交換が必要なので、
オートバイとエンジンオイルのセット販売は有効かもしれません。
 しかし、火力発電設備とLNGのセット販売は、
LNGのほうが規模が大きすぎると思います。














































































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